昨日5日目の記事では学歴ロンダリングポエムを書きました。 フィンランドでコーヒー環境が充実していることを示しましたが、おいしいコーヒーは手放しでは得られません。ここではフィンランドでコーヒーQoLを向上させるためにできることを紹介します(今回は充実していない点に触れます)。
結論はハンドドリップ用の器具を用意することになるので、本題はどうやってそれらをFIで調達するかになります(なぜハンドドリップなのかは最後のおまけに示しています)。
TL;DR
上から順の優先度で用意するとFIでのQoLが徐々に上がってきます。
- まずミルを買いましょう(日本で買って預け荷物に突っ込んでおくべき)。ミルを買うと豆で買えて鮮度が保てるのでよい。
- コーヒースケールを買う(豆量・注ぎ量・時間をトラックする)。
- 温度調節可能なケトルを買う(現地調達←日本で買うと対応電圧が異なるので現地で購入)。
- HARIO V60系 (+TIMEMORE C3) のものを一通り集めると合計
33,000 JPY
- 妥協すれば安く済むが、結局揃えたくなる(人に依る)。
ベストな方法(ハンドドリップ)
色々ごちゃごちゃ御託は置いておいて、結論から言うと 「Amazon.jpとAmazon.deを駆使して鮮度がよい膨らむ豆で淹れるためにミルを買い、ハンドドリップのセットを一通り用意しよう(コーヒースケールと温度調整可能なケトル)」 になります。
ハンドドリップをする理由は、いずれ自身のコーヒーへの要求がエスカレートしてハンドドリップにたどり着くからです。ハンドドリップとは引いた粉をドリッパーに入れて、上からお湯を垂らして抽出する方法です(スタバ店員とかがやっていること。→参考)。
以下の器具を用意します。
- Hario V60 ドリッパー (+ペーパーフィルター)
- コーヒーサーバー(抽出したコーヒーが落ちて貯まるポット)
- ミル(グラインダー。豆を砕いて粉にする)
- コーヒー注ぎ用のケトル(温度調節可能なもの)
- コーヒースケール(注ぐ量・時間をリアルタイムで計測するため)
ハンドドリップ (pour over) 用器具の調達
私がいるJoensuuでは見つかりません。勿論HelsinkiやOuluやら栄えた場所に行けば見つかるとは思います(近くてLappeenrantaかKuopio)。日本とは違いFIにはハンドドリップの文化は薄いようで、器具の調達には苦労します(Webを探索したところ、TampereのRoasterのmokkamestarit.fiがオンラインで器具を売っているくらい←フィンランド語で探せばもっと見つかるかもだが)。
結論から言うと、上記の器具をすべてそろえると3万円以上します。使用するのは amazon.co.jp と amazon.de です(FIに来てまでAmazonに頼る敗北感)。
古いデータですが(1年以上前)、フルで揃えると合計33,000 JPY
になりました。以下が内訳。
amazon.co.jp から購入する場合
- HARIOのコーヒーサーバー:
3,300 JPY
- HARIO V60 ドリッパー:
2,244 JPY
- V60用円錐形ペーパー(およそ1年分):
1,500 JPY
- コーヒーグラインダー TIMEMORE C3 (PROじゃなく無印):
11,000 JPY
- 送料(+Amazon Global の輸入税とか為替保障料金とか):
5,000 JPY
- 合計
19,000 JPY
(余計な温度調整なしのケトル3,000JPY
が含まれているので抜く)
AmazonGlobalの手数料はおおよそ輸送量と為替保証料・輸送先の国ごとの輸入課税で、JP→FIであれば 5000 JPY
ほどになった。25,000JPYくらいまでなら輸入税がそこまでかからないので、JPでしか買えないシャンプーとかを合わせて買おう。25,000 JPY
を超えると、製品価格の21%
ほど増した料金が課される様子(内訳は明記はされていない)。参考に、商品の小計が25,881 JPY
だと手数料が5,229 JPY
で収まった。
amazon.de からから購入する場合
- 温度調整可能ケトル:
70 EUR
11,000 JPY
- コーヒースケール:
20 EUR
3,000 JPY
- 送料:
0 EUR
(100 EUR以上注文するとFIへの配達は無料なので適当な10 EUR
分何かを追加すること) - 合計:
14,000 JPY
ということで合計が 33,000 JPY
ほどになります。
温度調整ケトルを揃える場合、FIの定格電圧に合わせるためにはJPから購入すると事故ってしまうため(FI:AC220—230V
vs JP:AC100V
でW数が高いケトルはやばそう)、amazon.de は欠かせなくなります。またHARIOのコーヒーサーバやペーパーフィルターがDEやFIではべらぼうに高いため(倍くらいする?)、上の様にamazon.co.jp と amazon.deを併用せざるを得ませんでした。
また参考に、すべて AMAZON.DE で集めると 270 EUR
42,000 JPY
しました(TIMEMOREがプロモーションで安くなっているともう少し安くなるはず)。
日本とドイツとでの調達の比較
amazon.co.jpで同じ価格 32,000 JPY
で調達できる?(TIMEMORE C3のセールで割引あり)
妥協する場合
上で示した通りすべて揃える場合は結構な価格になるので、妥協できる選択肢を示します。
妥協する選択肢は、
- 粉上の豆(レギュラー)を購入して共用のMoccaMasterで淹れる。
費用:
0 JPY
→34,000 JPY
節約 - ミルだけ購入して共用のMoccaMasterで淹れる。
費用:
11,000$ JPY
→23,000 JPY
節約(渡航前に日本で買っておこう)。 - V60のセットは揃えて、温度調整可能はケトルは沸騰したお湯を移し替えて冷ますことで代用しハンドドリップする(それでも注ぎ用のケトルは必要)。
費用:
24,000 JPY
→10,000 JPY
節約 (スケールもamazon.co.jpで一緒に購入) - amazon.de からハンドドリップセットを購入。
費用:
130 EUR
(温度調整すると +70 EUR) →20,000 JPY
(or30,000 JPY
)
が可能です。ハマれば徐々に揃えればいいかなと思いますし、普段缶コーヒーやインスタントコーヒーを飲んでいる人は粉で淹れたコーヒーに感動して、レギュラーで淹れて飲んでいるひとは豆をその場で挽いて入れたコーヒーに感動して、要求が徐々にエスカレートしていきます(n=1の体験談)。
私の場合は結局、妥協して省略した部分が後ほどほしくなってすべて揃えることになりました(結局温度調整可能なケトルを後で購入しましたし、そもそもミルだけでも渡航時に持ち込めばよかったと後悔しています)。
おわりに
FIでのコーヒー体験を向上させるために、妥協しながらハンドドリップコーヒーの器具を調節する方法(例)を紹介しました。結局はamazon.de/amazon.co.jpに頼らざるを得ませんでしたが、いつかFIでもハンドドリップが一般になり器具調達のコストが抑えられるようになることを願っています(FIの企業が販売すると利ザヤが増えて逆に高くなる気がするけど)。
ハンドドリップってどうやってやればいいの??という話は後の記事で書きます。
(明日のアドカレの投稿は現段階では予約されていません)
余談 (ごちゃごちゃとした御託)
以下の内容はWebのどこでも見つかる内容で冗長なので飛ばしました。とりあえず残しておきます。
豆・レギュラー
コーヒー豆を買うとき、どの形態かは非常に重要です。普段缶コーヒーやインスタントコーヒーを飲んでいる人は粉で淹れたコーヒーに感動して、レギュラーで淹れて飲んでいるひとは豆をその場で挽いて入れたコーヒーに感動します(n=1の体験談)。
日常的にとれる選択肢は、
- 粉のパックを購入(レギュラー)
- 挽いていない豆の状態を購入(豆。スーパーかロースター)
- コーヒーショップで購入しその場で挽いてもらう
- Robert’s coffeeで飲む
があります。
1の粉は最悪です。製造段階で粉にされ商品棚に陳列し続けるためか、新鮮さが足りません(お湯を注いでも膨らまない)。賞味期限(製造から1年)を過ぎたものが商品棚に平然と並んでいたりします。(消費が多いからと言って品質を気にしているわけではありません。)
新鮮で膨らむ豆を楽しみたい場合は2がベストですが、自分で挽かなければいけないため、ミルが必要です。ミルがない場合はコーヒーロースターで挽いてもらうのがいいでしょう。ただいずれ気づくことになると思いますが、ロースターから買う豆は高級品です(当然おいしいが高い)。毎日飲むには懐がキツイので、ミルを買う方がコスパがいいはずです。
4のRobert's CoffeeはFI発のロースターが20世紀から営んでいるコーヒーショップで、非常に歴史が深い。単純なドリップだけでなくエスプレッソ等手を入れたコーヒー飲料があるので、営業時間内で寒い冬に外に出てとりあえずおいしいコーヒーが飲みたいならこれでよさそう。
器具(方法)
おいしいコーヒーを自分で用意して飲みたい場合(安上り)、ハンドドリップ(pourover)は避けられません。コーヒーメーカー(Mocca master)で淹れればいいじゃないか?いえ、あれらは2—10杯淹れる用のマス向けのコーヒーメーカーです。彼ら(Finn)は結婚式に来賓をもてなすため、30—40杯同時に抽出するコーヒーメーカー・サーバーを用意します。
コーヒーメーカーとハンドドリップの比較は以下の通り。高専・TUTの皆さんはエンジニア・科学者なので、自身の好みに合わせたコーヒーを追い求めるためにハンドドリップを用意しましょう。
コーヒーメーカー
- 一気にボタン一つで大量に淹れる。
- FIの研究室に大体共用のものが1つある(Moccamaster)。
- 味が毎回同じでいずれ飽きる(ミルを買えば調整できるが)。
- 169 EUR(自分で買うとなると高価)
ハンドドリップ
- 1—4杯分を淹れるために10分かかる。
- 器具の用意が困難
- 好みのコーヒーを抽出できるので圧倒的に旨い
- 自分で手を掛ける分、旨い気がする(イケア効果)
- 抽出が単純に難しい
- 器具が高い ←
34,000 JPY